平素は当研究会にご支援を賜りまして有難うございます。 事務局を代表して九州大学の三浦則雄が事務局移転のご挨拶を申し上げます。

 

1月22日に開催されました当研究会の役員会及び総会におきまして、私、三浦の3月末付けでの九州大学からの65歳での定年退職に伴う事務局の移転が、満場一致で承認されました。そのため、1月23日をもって本研究会の事務局は、九州大学産学連携センター・三浦研究室内から、長崎大学大学院工学研究科・機能材料化学研究室(清水康博教授の研究室)内に移転いたしました。

 

2003年に事務局が九州大学の山添研究室から三浦研究室にバトンタッチされて以来、早や13年が経過いたしました。研究会の皆様の強力で温かいサポートに支えられ、この13年間に、化学センサ研究会を24回、化学センサ研究発表会を20回開催し、機関誌(Chemical Sensors)の通常号54冊、Supplement24冊を出版できました。また、清山賞を26人の方が受賞され、碇山国際交流基金からは8人の方が助成を受けられました。さらに、化学センサ国際会議(10—IMCS、つくば、2004年)やホノルルでのPRiME(2008年及び2012年)などの国際会議も主催、共催してきました。私自身としてはInternational Steering Committeeのメンバーとして、IMCSやアジア化学センサ会議(ACCS)に長年関わることができたのは、大変名誉なことだったと思っています。

 

一方、会員数につきましては、2004年に会費値上げを断行せざるを得なかったため、個人会員数は約300名から約250名に減少致しましたが、法人会員数は34社から44社に大幅に増加しております。産業界からのご支援とご協力に、心より感謝と御礼を申し上げます。

 

研究会の財政につきましては、単行本の出版や何件かの国際学会への資金援助を行ったにも拘わらず、会費の増収と、ご寄付(碇山先生ご遺族様、日本ガイシ株式会社様、小笠原憲之様)を頂きましたお蔭もあり、現在、大変健全な状況にあります。

 

事務局は、私と研究室の2人のスタッフ(現在は毛利さんと橋口さん)の3人体制で、この13年間、研究会の運営を細々と手伝ってまいりましたが、このことが可能であったのは、清水現会長をはじめとする歴代7人の会長、企業からの28人もの副会長、幹事役員、編集委員、多くの役員の方々、さらに全会員の皆様の並々ならぬお力添えがあったればこそと、改めて感謝申し上げる次第です。

 

当研究会は、企業と大学・研究機関が交流、連携できるきっかけを作ることを目指すとともに、たとえ競合他社であっても情報交換や人脈が形成できるような気楽で楽しい雰囲気作りを、私としては努めてきたつもりです。冬と夏の研究会への企業参加者の割合がいつも5割を超えているのが、そのためであれば嬉しい限りです。

 

この13年間で私個人として特に記憶に残っていることの一つ目は、2007年度から2年間会長に就任した際に、台風襲来のリスクを冒して9月上旬に沖縄において、研究会と研究発表会を同時に何とか無事に、また大変楽しく開催できたことです。この時は、電化の秋季大会とも初めて切り離して開催いたしました。

 

二つ目は、同じく私が会長であった2008年に、本会の役員を中心に90名の方々に執筆頂いて、「先進化学センサ:ガス・バイオ・イオンセンシングの最新技術」という364頁の単行本を出版できたことです。この本は全会員や関係機関等に無料配布させて頂きました。出版に際しては(株)ティー・アイ・シーに大変お世話になりました。

 

三つ目の思い出は、2004年につくばで開催した第10回化学センサ国際会議です。この時、組織委員長は江頭先生、プログラム委員長は谷口先生、実行委員長は水谷先生であり、私は総務委員長(事務局)を務めさせて頂きました。この際も、本会の役員や会員の方々の絶大なるご支援を頂いて総力戦で対応しました。色々苦労はありましたが、約500名の総参加者(うち海外から約200名)があり、大変な盛会裏に終わらせることができました。会議後に作成した72頁のカラーの報告書は、本会のHPでご覧になれます。

 

以上、長くなってしまいましたが、本当に多くの役員、会員の方々に大変お世話になりました。恩師である故清山先生を中心として約30年前に創立されたこの研究会が、今後も益々発展することを祈念してご挨拶を終わりたいと思います。 誠に有難うございました。

 

2016年1月26日

 

九州大学 三浦則雄