Chemical Sensors
Vol. 38, No.4 (2022)

 

Abstracts



巻頭言

研究会の活性化のために庶務幹事ができること

兵庫県立大学大学院理学研究科 教授

安川 智之

私の化学センサ研究会デビューは、2000年春の名古屋 (第30回化学センサ研究発表会) である。このとき、学位を取得したものの職も決まっておらず、どうしたものかと思い悩んでいたことを覚えている。その後、研究会には機会があれば参加する程度であったが、2008年以降はほとんどすべて参加させていただいている。これは、2007年の秋に兵庫県立大学におられた水谷文雄先生のところの准教授として異動したことが発端である。水谷先生は化学センサ研究会の常連であったため、私も自然と研究会や関連の国際学会 (IMCSやACCS) で発表する機会を増やしていった。その後、2013年に第16回の清山賞をいただくことができたことも一因となり、庶務幹事の大役を担うこととなった。その庶務幹事を担当させていただいたのが2015年なので、次年度 (2023年) で9年目を迎えることとなる。
 庶務幹事の仕事の一つに、3月および9月に電気化学会で開催される化学センサ研究発表会に発表申し込みされた講演の管理とプログラム編成がある。申し込みいただいた講演内容に沿って分類し、それぞれの講演を割り振っていく作業である。庶務幹事を務めた当初は40件以上の申し込みがあり、特に、開催期間が2日間の秋は、はめ込み作業に四苦八苦していた。しかし、2018年から申込件数が30件台に減少し、新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン開催となった2021年からは20件台に落ち込んでしまい、割り振り作業は簡単になってしまった。昨年 (2022年) の秋は、現地 (神奈川大学) とオンラインのハイブリッド開催となり、発表件数こそ30件台とわずかに回復したものの一時期と比較してまだまださみしい状況である。特に、バイオセンサ関連の講演数が著しく減少しており、講演経験のある先生方へのお誘いや新しい講演者の探索に注力しているところである。また、2019年春の化学センサ研究発表会では、台湾から2件の特別講演をお願いした。それまで不定期に日本の化学センサ関連研究者が台湾化学センサ研究会 (Association of Chemical Sensors in Taiwan (ACST)) に招待されて講演してきたが、今後の継続的な交流を行うために、お互いの研究発表会に招待講演を設けることとした。当研究会は、2019年12月に台湾化学センサ研究会と上記についてMemorandum of Understanding (MOU) 締結している。2020年春の研究発表会でも2名の台湾の研究者に招待講演をお願いしていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり、その後は交流が中断している状況である。これは、双方の活性化のために欠かすことのできない取り組みであり、次年度以降の復活に向けて準備を進めていきたい。
 化学センサ研究会 (1、7月) では、毎回、3名の先生に講演をお願いしている。開催に際し、これまで、会員の皆様に講師候補者の推薦をお願いしてきた。これは好評であり、毎回会員の皆様から講演候補者をご推薦いただいている。講演いただきたい先生またはグループのお名前とその簡単な理由を送ってもらい、研究会から先方に講演を依頼している。講演が成立した場合でも、推薦者の名前は公表されず、また、推薦は随時受け付けている。これは続けていくので、ぜひ活用いただきたい。
 「バイオセンサ関連の講演数が著しく減少」している。バイオセンサ関連を主軸とする研究者として、バイオセンサ開発の醍醐味である生体認識素子を組み込んだ迅速、簡便、高感度な電気化学シグナル変換手法の研究を続けるとともに、今後の化学センサ研究会のさらなる発展に向けて、庶務幹事として研究開発に勢いを注入するお手伝いを続けていきたい。

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トピックス

創薬研究での実用化に向けた多臓器生体模倣システムの
操作性向上とバイオセンサ集積化による高機能化

榛葉 健汰、木村 啓志

東海大学 マイクロ・ナノ研究開発センター
〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1

Improvement of Operability and Integration of Biosensors for
High-Functionality of Multi-Organ Microphysiological System for
Practical Use in Drug Development

Kenta SHINHA, Hiroshi KIMURA

Micro/Nano Technology Center, Tokai University
4-1-1 Kitakaname, Hiratsuka, Kanagawa 259-1292, Japan

Microphysiological systems (MPSs) are a novel technology that mimics the functions and diseases of human organs/tissues in vitro by cells in a microenvironment that mimics in vivo blood flow and tissue structures. In drug development, a more accurate evaluation of drugs in the non-clinical testing phase is required, thus MPSs are being utilized as a novel cell assay platform that complements conventional cell-based assay methods. Single-organ MPSs that mimic organs such as the liver, intestine, and lung, and multi-organ MPSs that connect multiple organ models have been proposed and shown to be useful. However, the practical application of multi-organ MPSs has not progressed as far as that of single-organ model MPSs. We proposed a multiorgan MPS with open-type culture chambers to improve operability for practical use in drug development. In addition, biosensors were integrated into MPSs for online measurement of cellular dynamics toward the enhancement of the MPS’s functionality. The improved operability and functionality of multi-organ MPS are expected to improve the accuracy and speed of efficacy and toxicity evaluation in drug development.

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In Situ DRIFTスペクトル測定を用いたセンサメカニズムの解析:
SnO2およびZnOガスセンサへのPt添加の効果

猪股 雄介、木田 徹也

熊本大学 大学院先端科学研究部
〒860-8555 熊本市中央区黒髪2丁目39-1

Analysis of Sensing Mechanism by In Situ DRIFT Spectroscopy:
Effect of Pt Addition on SnO2 and ZnO Gas Sensors

Yusuke INOMATA, Tetsuya KIDA

Faculty of Advanced Science and Technology, Kumamoto University
2-39-1 Kurokami, Chuo-ku, Kumamoto 860-8555, Japan

Although tin oxide (SnO2) and zinc oxide (ZnO)-based gas sensors have been well-established, their high working temperature (>300℃) has been the drawback in terms of their use in an indoor environment. Sensitization and lowering of the working temperature of gas sensors are expected by the addition of noble metals such as Pt and Pd owing to the activation of their reactivity to flammable gases or an increase in the number of adsorbed oxygen due to the spillover effect. However, the relationship between gas response and the effect of noble metals on the reaction mechanism has not been fully understood. In this paper, we demonstrate the elucidation of the sensing mechanism of SnO2 and ZnO and the effect of Pt addition on the mechanism using in situ DRIFT spectroscopy.

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