Chemical Sensors
Vol. 35, No.4 (2019)

 

Abstracts



巻頭言

化学センサ誌30年 -デジタル時代のアナログの良さ-

九州工業大学 大学院工学研究院 物質工学研究系

清水 陽一

今回、僭越ながら巻頭言の依頼を頂いたので、私が本研究会事務局に携わった経験からChemical Sensors誌について少し紹介したい。ご存じのように、化学センサ研究会は、Chemical Sensors No.1-4の4冊、化学センサ研究会の要旨集が2冊、これに、化学センサ研究発表会のプロシーディング (Chemical Sensors, Supplement A,B)を2冊と、年に8冊を発行している。この規模の研究会で年にこれだけの冊子を作っているのは大変珍しい。電気化学会も年2回の季刊誌になったし、The Electrochemical SocietyのInterfaceも同様である。ちなみに、本誌には、KODEN番号:KAGSEUがついており、国会図書館をはじめ国内外の主要研究機関へも寄贈されている。  さて、私も化学センサ研究会の事務局に8年ほど関与したが、年間を通じて、8冊の対応をするため、常時、次の号の対応をしてきた。本誌は、巻末に記載の編集委員が分担して記事を集めているが、実はここには記載されない事務局の教員・事務員が版下を作ってきた。この機関誌は前身時代を含め歴史は古く、すでに39年以上も続いているが、当初は、ワープロ専用機で手書きの原稿を入力し、手作業で版下を作っていた。その後、Windows95が登場すると、ワードプロセッサー「一太郎」等、またアップルに搭載されたページレイアウト作製ソフト「PageMaker」等が登場して、編集作業は大変楽になった。現在では、「Word」が標準ソフトとして普及し、作業はさらに簡単にはなったが、年に8回も出版し続けている化学センサ研究会は、別格と言わざるを得ない。  
 さて、なぜ本会はこのデジタル時代にあえてアナログの機関誌を出版し続けるのであろうか。これは、会員の寄稿、レポート、会員の研究内容や動向、学会案内など知りたい情報を簡単に読めること、さらには本誌で、本会会員の連携や結束が高まっているからではなかろうかと思う。本誌は、ウエブに電子媒体として掲載しているのにも関わらず、冊子版を作るのは、やはり、文字媒体としてアナログでみることの良さに尽きる。やはり、情報・デジタル時代ではあるが、アナログにはアナログの良さがある。  
 ちなみに、現ChemicalSensors誌の表紙デザインは、相澤元会長の1990年4月、第10回化学センサ研究発表会の時に、Chemical Sensors, Vol. 6, Sup. A、1990として刷新された。したがって、Vol.35の令和元年が30周年となる。また、第1回から第27回化学センサ研究発表会がB5版、1998年3月の第28回研究発表会からA4版に変更された。さらに、東アジア化学センサ国際会議 (5EACCS, Vol. 17B, 2001)や化学センサ国際会議 (10IMCS, Vol. 20B, 2004)のプロシーディングやテクニカルダイジェスト版となったこともあり、雑誌名、巻号、ページが付くとそれなりの存在感を示している。  
 さて、昭和、平成、令和と続いてきた本誌は、2019年:令和元年に35巻となった。ちなみに第1回化学センサ研究発表会は、1981年10月5日東京大学で開催された。このときのプロシーディングは、目次以外は、ほぼすべて手書きである。文字と図表に著者の性格までも見えそうで味がありアナログの良さがわかる。ちなみに1981年当時私は大学3年生、その5年後にこの冊子に深く関わることになるとは想像も付かなかった。
  最後に、Chemical Sensors誌の創刊にご尽力された諸先輩方、現在編集に携わっている先生方、また、特に本誌の裏方として支えて頂いている事務員等に感謝するとともに、このアナログ版のさらなる発展と新しい展開を祈念したい。

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トピックス

電気化学インピーダンス法による鉄筋コンクリートの
腐食モニタリングに向けたプローブ電極の開発

星 芳直、四反田 功、板垣 昌幸

東京理科大学大学院理工学研究科先端化学専攻
〒278-8510 千葉県野田市山崎2641

Development of Probe Electrode Toward Corrosion Monitoring of Reinforced Concrete
by Electrochemical Impedance Spectroscopy

Yoshinao HOSHI, Isao SHITANDA, Masayuki ITAGAKI

Department of Pure and Applied Chemistry, Faculty of Science and Technology,
Tokyo University of Science, 2641, Noda, Chiba 278-8510, Japan

We developed a probe electrode for corrosion monitoring of reinforced concrete by electrochemical impedance spectroscopy. In this method, a pair of probe electrodes is embedded near steel rebar in concrete. The corrosion conditions of the steel rebar in concrete can be monitored by measuring the impedance of pair of probe electrodes. In the present paper, we introduce the recent researches regarding the corrosion monitoring of reinforced concrete by developed method.

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有機トランジスタによるタンパク質検出:抗体から人工レセプタ材料への展開

南木 創、浅野 康一郎、佐々木 由比、窪田 陸、南 豪

東京大学生産技術研究所
〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1

Organic Transistor-Based Protein Sensors Functionalized with Antibodies
and Artificial Receptor Materials

Tsukuru MINAMIKI, Koichiro ASANO, Yui SASAKI, Riku KUBOTA, Tsuyoshi MINAMI

Institute of Industrial Science, The University of Tokyo, 4-6-1 Komaba,
Meguro-ku, Tokyo 153-8505

Protein sensors based on artificial receptors have various attractive features such as chemical/physical stability, low-cost productivity, and easy-to-tune of their target selectivity. However, such protein sensors are still at early stages of development compared with immunosensors. To further enhance the application potentials of synthetic sensing materials, we have attempted to apply organic field-effect transistors (OFETs) as the device platforms for protein sensors. OFETs are those of the most fascinating electronic devices because of their solution processability, durability, and compact integration. More importantly, the artificial receptors enable electrical readout of the protein recognition phenomena on sensing electrodes of OFETs. In addition, the data processing and transmitting systems can be integrated onto a single chip by circuit fabrication processes. Hence, we believe that the OFETs functionalized with the artificial protein receptors will be the powerful tools for on-site analyses of target proteins. In this review, we summarize the recent progress of the OFETs including the ‘effective’ design strategy of sensing devices and materials for the highly sensitive protein detection, and the practical results for each target protein such as chromogranin A (CgA), ricin, albumin, and α-casein.

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