Chemical Sensors
Vol. 29, No.1 (2013)
Abstracts
これからの化学センサ研究会
東北大学大学院薬学研究科 教授
(化学センサ研究会 会長)
安斉 順一
本年度から会長を務めることになりました。微力で若輩ですが鋭意努力する所存です。一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、会員の皆様方にお願い申し上げます。
さて、本会が発足したのは1984年のことで、本会はまもなく創設30年を迎えます。本会発足に至った経緯や事情は、会誌「化学センサ」の10周年記念特集号(11巻、3号、1995年)に詳細に記載されています。また、本会ホームページでも公開されています。本会の前身であった「センサ研究懇談会」が「化学センサ研究会」へと拡大改組されていく様子が、その動きを牽引された方々によって生き生きと描写されています。巨象の群れが新しい大地を拓くために森林の大木を踏み倒しながら悠然と進んでいくような情景にも似ています。さらに、本会発足時には個人会員56名、法人会員32社であったのが、発足から10年の活動で国の内外に確固たる地歩をかためるとともに、1995年時点で個人会員220名、法人会員40社を擁する組織へと本会が発展した様子も刻銘に記録されています。今後の本会の進むべき途を示唆するものであり、会員の皆様に是非ご一読をお勧めします。
会員の皆様にとって、その後の本会の事業の展開と発展ぶりは周知のことであります。いちいち列挙するまでもありませんが、年2回の「化学センサ研究発表会」の開催、夏と冬の「化学センサ研究会および交流会」の開催、会誌「化学センサ」の年4回の定期発行、さらには「アジア化学センサ会議(ACCS)」の主宰、「化学センサ国際会議(IMCS)」の開催など、活発な活動を展開しています。さらに、IMCSで研究発表する若手研究者への支援、中堅研究者への清山賞の授与、など人材育成にも力を注いでおります。これらの活動スタイルは本会の発展の中で少しずつ確立されてきたものであり、歴代の役員およに事務局担当者の努力に改めて敬意を表したいと思います。また、学会と産業界がまさに共同で参画しているのが本会の特徴の一つですが、多大のご支援をいただいている企業関係者の方へお礼を申し上げます。
会員の皆様に注目していただきたいことがひとつあります。それは本会の会員数の推移についてです。会誌「化学センサ」の毎年第2号に会員名簿が掲載されています。それによると、約10年前の2004年度は個人会員296名(大学等関係:190名、企業関係:106名)、法人会員37社でした。一方、2012年12月現在では、個人会員244名(大学等関係:182名、企業関係:62名)、法人会員37社となっています。企業関係の個人会員の減少が続いています。職務内容との関係でやむを得ない面もあると思いますが、周辺の方に入会を勧誘していただければ有難く存じます。また、大学等関係の個人会員は大きな減少はありませんが、10年間増加もしていません。我が国のセンサ研究者が大学等にこれ以上いない、ということではないでしょう。教授、室長などの立場の方には、若い共同研究者の方に是非入会を勧めていただきたいと思います。センサの研究を直接行なっていない方でも、センサという考えから何かしら得るものがあると思います。若い方への投資として是非入会を勧めてください。どんなに優れた活動を行なっている組織でも自動的に会員が増えるものではありません。今後とも、会員拡大を訴えていきたいと思っています。絶大なご協力をお願い致します。
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La系ペロブスカイト電極を用いたジルコニアNOXセンサ
上田 太郎、高橋 誠治
非営利・一般財団法人ファインセラミックスセンター 材料技術研究所
〒456-8587 名古屋市熱田区六野ニ丁目4番1号
Zirconia Based NoX Sensor using La-based Perovskite Oxide as a Sensing Electrode
Taro UEDA, Seiji TAKAHASHI
Japan Fine Ceramics Center (JFCC), Materials Research and Development Laboratory
2-4-1 Mutsuno, Atsuta-ku, Nagoya 456-8587
We examined zirconia based amperometric-type NOX sensor using La-based perovskite-type oxides as a Sensing Electrode (SE). The oxides have reported as catalysts for NO decomposition, thus we tried to apply to SEs for NOX detection. In this report, appropriate electrode material(La0.8Sr0.2MO3, M=Co, Mn, Fe) and operating condition were examined. We found the sensor detects NO2 selectively under excess oxygen condition using La0.8Sr0.2MO3-SE operated at 500℃ and an applied potential of -50 mV(vs.Pt-CE). The reaction of NO2 was considered to be connected with adsorption ability of electrode surface. In order to improve the stability of the sensor under high temperature and reduction gas condition, we examined La-Al based perovskite oxide as an electrode material. We also reported the synthesis of sterically-controlled oxide in order to optimize gas reaction sites by using spray pyrolysis technique combined with carbonization of citric acid and fabrication of dense electrode by spin coat technology using alkoxide-based stabilized solution to evaluate the reaction site.
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バイオセンサを用いる糖質バイオマス分解過程の解析
巽 広輔
信州大学 理学部化学科
〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1
Kinetic Studies on Enzymatic Hydrolysis of Polysaccharides by Amperometic Biosensors
Hirosuke TATSUMI
Department of Chemistry, Faculty of Science, Shinshu University
3-1-1 Matsumoto, Nagano 390-8621, Japan
Kinetics of the enzymatic hydrolysis of insoluble polysaccharides has been studied by using amperometric biosensors. The hydrolysis of starch, cellulose, chitin, and chitosan, catalyzed by glucoamylase, cellobiohydrolase, chitinase, and chitosanase, respectively, has been successfully monitored by direct and continuous measurements of saccharides in thick suspensions without the influence of turbidity. The dependence of the hydrolytic rates on the evzyme concentration and on the amount and specific surface area of substrate can be explained by the rate equation based on the Langmuir adsorption of the free enzyme onto the sueface of the substrate.
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