Chemical Sensors
Vol. 18, No. 1 (2002)
Abstracts
グローバリズム時代における化学センサ
大薮 多可志
金沢星稜大学・経済学部
Chemical Sensor for Globalism
Takashi OYABU
Faculty of Economics, Kanazawa Seiryo University
急激な地球人口の増加とともに年齢構成が変動し様々な問題が派生してきている。特に、「環境」、「福祉」に関しては深刻な状況にあるといえる。これら問題に対しては、あらゆる分野の英知を結集し早急な対策が望まれている。この分野に密接にリンクし国家レベルの研究として、「生命科学」、「ナノテクノロジィ」、「情報通信」、「教育」などが挙げられている。科学技術立国・日本としては、これら分野の研究開発に産学官の立場から最大限の努力と戦略が必要である。研究のみならず、教育も重要であり様々なコスト削減に貢献する。この分野における企業活動や教育が今後の日本の将来を大きく左右することは明らかである。特に、当該分野の技術開発が世界における日本の立場や経済活動に強く連動し、ここ数年で如何に経済効果を向上させ世界をリードしていくかで21 世紀における日本の役割が決まる。
環境・福祉分野に必要不可欠なテクノロジィとして、我々が携わってきた「センサ技術」がある。本研究会において、当該テクノロジィはあらゆる分野に必要不可欠なものとして認識されている。どの技術分野においても各種物理・化学量の検知や制御が最も基本的な事項である。しかしながら、企業等においては、未だ、これらセンシング技術は副次的な分野として取り扱われ、それ程重要視されていないのが現状である。その理由として、センサ、特に化学センサが一般研究者に馴染みにくい分野であることと、ネットワークなど他の先端技術との融合が図りにくい面があったことが挙げられる。大学教育においても「センサ」という名称が使われている科目が非常に少なく、役割の重要度ほど浸透していない状況にある。
社会はネットワーク化へと急速に移行しグローバリズムが浸透しつつある。全ての情報がトップダウンによる伝達から垣根のない面状発・受信へと移ってきている。環境・福祉問題も局所計測から広域的で動的な解析が必須な時代へと変遷している。これらの状況を踏まえ、情報の取り入れ口である化学センサも、先に述べた研究分野のみならずネットワークなど先端技術との融合を図り、動的判断が可能な規格化やデータベース化を目していく必要がある。センシング機器の開発に留まらず、高度情報処理技術を積極的に取り入れ、自律的に行動できるエージェント化等を指向したシステムの開発を視野に入れた研究開発・教育を行っていく必要がある。
グローバリズムの時代、本研究会の役割は益々重要になるとともに、私個人としても責任を果たすための切磋琢磨を常に心掛けていきたい。
ISFETを検出器とする免疫学的ピロリ菌ウレアーゼ測定器
中村 道宏
日本光電工業(株) R&Dセンター
〒161-8560 東京都新宿区西落合1-31-4
Immunological Analyser of Helicobacter pylori's urease based on an ISFET
Michihiro NAKAMURA
R&D Center, Nihon Kohden Corporation
3-4-1 Nishi-Ochiai, Shinjuku, Tokyo 161-8560, Japan
Immunological analyser of Helicobacter pylori's urease based on a pH-sensitive ISFET was
developed. In this system, H.pylori's urease in sample liquid (gastric mucus) is specifically captured
by a solid-phase tip coated with a monoclonal antibody toward H.pylori's urease. The activity of the
captured urease is measured by introducing the tip into a flowthrough cell of urea solution, and result
is displayed as the change of pH ( pH) of the urea solution. This system can detect 0.2 mU/ml of
H.pylori's urease in 20 min and give a satisfactory clinical performance (98.4% and 98.9% as sensitivity
and specificity, respectively). This is considered to be the first case of the application of ISFET
as a detector in an immunological diagnostic system.
μTAS これまでの研究開発の流れと最新動向
− μTAS2001 報告―
庄子 習一
早稲田大学理工学部
〒169-855 東京都新宿区大久保3-4-1
Review of researches and developments on micro total analysis systems (μTAS)
-Review of μTAS 2001 Symposium-
Shuichi Shoji
Department of Electronics, Information and Communication Engineering,
Waseda University
3-4-1 Ohkubo, Shinjuku, Tokyo 169-8555, Japan
Researches and developments of Micro Total Analysis Systems (μTAS) reported past μTAS
symposiums are reviewed. Recent trends of μTAS Symposium held in Monterey, California from
21st to 25th October 2001 are reported. Main interests are sifted from DNA to proteomes and biological
cells in biochemistry applications. High performance and high sensitivity sensing methods which
are indispensable in μTAS have been currently studied. Microfluidics in the microchannel and micro
flow device have been also developed focusing actual applications.
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