Chemical Sensors
Vol. 16, No. 3 (2000)
Abstracts
科学技術の発展
湯浅 茂樹
株式会社トクヤマ つくば研究所研究開発センター所長
Expansion of Science & Technology
Shigeki Yuasa
TOKUYAMA Corp.
20世紀は科学技術の爆発的な発展を見てきましたが、特筆すべき発見・発明といえば、アインシュタインの関係式(1904年)、エッカートとモークリの発明したコンピュータ(1946年)、そしてワトソンークリック構造(1953年)を素人の私はあえて挙げたいのですが、皆さんはどうでしょうか。人間社会は、火の発見と利用から始まり、農耕技術や工業の発展に促されるように大きく変化をし、多様化を遂げています。上記3つの発明・発見が現代社会にどのように影響を与えてきたかは言わずもがなであります。原子力はエネルギー源として欠くべからざるものとなり、成熟期に達したように思えます。コンピュータも発明から56年を迎え、超小型演算処理装置(MPU)が登場して約30年を経て成長期に入りつつあるようです。一方、遺伝子技術もこれから成長期を迎え、両者とも21世紀にさらに大きく花開くことでありましょう。
経済が50-60年周期で波打つように変動するとする「コンドラチェフの波」のように、科学技術もその発見・発明から30年間で大きく広がり、60年くらい経過すると社会構造に組み込まれ、それなしでは成り立たない社会が築かれていくようです。これは、60年サイクルで人間の世代交代が起こることとも関わっているのではないでしょうか。つまり、次世代の人間が生まれながらにして存在する新しい科学技術をそのまま素直に受け入れるためでしょう。科学技術は人間社会の遺伝子のようなものなのかも知れません。企業の寿命30年説を唱える向きもあります。これは、30年間も同じ様な事業構造を持つ企業は衰退するとも解釈できます。企業も一つの発見・発明から事業へと大きな発展を見ます。しかし、それにも限界があって、30年くらいでその市場が成熟し、独占・寡占が難しくなってくるのでしょう。
化学センサ技術は30年ほど前に発明され、その後急激な広がりを見せています。この化学センサ技術とは信号変換伝達という科学技術の一つですが、信号を情報として伝達するセンサがこれから益々必要になることは間違いありません。これからさらに30年間に科学センサ技術は他の科学技術と複合化をして、発展し、人間社会に変化をもたらし、必要欠くべからざる「遺伝子」という形で後世に伝えられていくことでしょう。
相転移高分子を利用した機能化バイオセンサー
立間 徹
東京大学大学院 工学系研究科 先端学際工学専攻
〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1
Versatile Biosensors with Phase Transition Polymers and Gels
Tetsu Tatsuma
Department of Advanced Interdisciplinary Studies, School of Engineering, University of Tokyo
7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8656, Japan
Polymers and gels that undergo volume phase transition in an aqueous solution can be exploited for the fabrication of versatile biosensors. Phase transition polymers and gels with electroactive functional groups are used as electron mediators and as enzyme supports. In particular, the gels are employed to construct enzyme-exchangeable enzyme eelectrodes. Phase transition polymers and gels are also used for the control of activity and selectivity of biosensors. Intrinsic activities of biocatalysts can be modulated through reversible control of their active center structures.
微小バイオセンサの集積化
鈴木正康
富山大学 工学部
〒930-8555
Integration of Miniature Biosensors
Masayasu Suzuki
Faculty of Engineering, Toyama University
3190 Gofuku, toyama 930-8555, Japan
Integration of miniature biosensors has many advantages. But in order to make integrated biosensors practicable, we have to solve many problems. In this review, our three studeis on the integration of miniature biosensors were described: 1)Interferences between biosensors on one chip, 2)Integration of enzyme sensors and immuno sensors on one chip, 3)Application of integrated miniature enzyme sensors to the bioprocess monitoring.
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