Chemical Sensors

Vol. 16, No. 2 (2000)


Abstracts



平凡なこと

佐藤 生男

神奈川工科大学工学部 教授

Nothing Special.

Ikuo Satoh

Professor, Departmnent of Applied Chemistry, Kanagawa Insititute of Technology


 先に開催されました電気化学会第67回大会では,これまでの講演件数と参加者数の最多記録を更新しました。会員数も年々増加の一途にあり,慶びに絶えません。わが研究会の会場でも,3日間に渡って午前・午後とも講演で満杯になり,本会の隆盛を強く支え,頼もしい限りであります。昨今,講演件数の増加はおろか,会員数の減少に頭を悩ます大方の学会と異なり,意気軒昂であります。今後,ますますこの勢いを維持し続け,さらなる発展を期待し,この場をお借りし,平凡なことを述べさせていただきます。
 年齢的には,50代そこそこの者として寄与できることを考えてみました。第一には比較的若い世代の育成が役目の一つと思われます。この研究会の活躍ぶりの一因は,毎回のように新規参加者を暖かく受け入れる寛容性にありましょう。発表会を開催するたびに,耳慣れない,いや目新しい標題の講演をいつも拝聴することができます。「センサ」という言葉をキーワードとする本研究会ならではの,広範囲にわたる計測対象を扱う特徴がそつなく,巧みに生かされているように感じられます。また,育成という観点に立てば,口頭講演の場で各種センサの特性を科学的に,明快に解明,表現することの重要性を指摘することがあげられます。これには,該当するセンサあるいは計測システムの性能を漏れなく報告するばかりでなく,正しく,適切な用語を用い,記述することも含まれます。大学に身を置く者の一人として心すべきことと感じております。さらに,「そったく」という言葉を付け加えさせていただきます。これは禅宗の言葉で,物の本によりますと,「卵の殻の中で鳴く雛鳥に対し,母鶏が殻を外からつつく動作を表す」とのことです。われわれは,これから新しい世界に飛び出そうとする若い世代に対し,的確に誘導するという任務を負っております。実は大学院時代の指導教官から,折りあるたびにこのことの重要性を身にしみて伺ってきております。ところで,要求するばかりでなくむしろ我々自身も,絶えず,新しい概念を持ち,発想することでインパクトを与えるべきと思います。筆者の関わるバイオセンサを例に取ってみます。識別素子としての固定化生体触媒の反応特異性・選択性をただ単に利用するばかりでなく,触媒の持ついかなる性質をも徹底的に,引き出し,駆使することが考えられます。我田引水になりますが,金属酵素由来のアポ酵素が微量重金属イオンの格好の計測素子になり得ることを例証してまいりました。また,埼玉工大のグループは酵素触媒のゆるい選択性を逆に活用したセンサの開発例をこのたびの大会で報告されております。生体触媒に留まらず,無機固体触媒等,まだまだ検討の余地が残されてはいないでしょうか。平凡ではありますが,常々考えおりますことを申し述べさせていただきました。本研究会のますますの発展を祈念して。

DOX(溶存酸素測定)法による食品中の細菌検査システム

片山 秀夫

株式会社ダイキン環境研究所 〒305-0841 茨城県つくば市御幸が丘3

New method of bacterial count by dissolved oxygen measurement

Hideo Katayama

Daikin environmental laboratory, Ltd
3 Miyukigaoka, Tsukuba-shi, Ibaraki 305-0841, Japan

Bacterial count by dissolved oxygen measuring method correlated well with the result of conventional plate count agar method. This new method is by far more convenient and rapid in performance of assay, and easy to be applied to sutomated system since the output is made as digital electronic signals. Rapidity of the method gives surplus time to be used for swab test for the factory line to enhance the total sanitary environment. If used in the development of new recipe, bacterial monitoring will help to determine appropriate conditions to avoid excessive use of preservatives or too much heating, leading to higher quality product.



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