Chemical Sensors

Vol. 15, No. 4 (1999)


Abstracts



BALANCE

三浦則雄

九州大学先端科学技術共同研究センター・教授

Norio MIURA

Advanced Science and Technology Center for Cooperative Research, Kyushu University

 昨年度より庶務幹事を仰せつかって、早や1年がたってしまいました。この間、会員の皆様への事務連絡、研究会や発表会への申込み、新規入会登録などの電子メール化、会誌や要旨集のA4版化や体裁の変更、技術紹介記事の新設、長期滞納者からの会費徴収、会則の改正などいくつか細かな改革を行い、なるべく会の実情にあった効率的でスムーズな運営、活動が行えるように実務面での努力をしてきたつもりです。おかげさまで、一般会員、特に若い人や異分野の研究者の入会数が増え、会設立以来初めて総会員数が300を超えておりますし、発表会や研究会への参加者数も増加しております。しかしながら、日本経済の悪化により法人会員の退会数が増えつつありますので、今後、さらに気を引き締めて会の運営に当たりたいと思っております
 私は最近、九州大学の総合理工学研究科から先端科学技術共同研究センターに移り、産官学共同研究プロジェクトの立ち上げやコーディネートを行わなければならない立場にあります。このような産官学協力体制の確立はあらゆる分野で最近特に重要性を増しております。化学センサ分野においても産と官学が車の両輪となって研究を進めてこそ、この分野の発展が期待されるものですし、産業界と学界(研究会)はうまくバランスをとりながら二人三脚で進む必要があります。そのためには、研究会の中により専門的な部会やグループを設立することにより、現在よりもさらに緊密なネットワークを構築するとともに、一歩進んで技術や資金面での強固な協力体制を確立することにより、実用センサの開発スピードを上げることができるのではないかと思います。独創的で優れたセンサを次々に提案・開発することにより、化学センサの有用性を社会に大いにアピールしていくことこそが、研究会の会員各自に課せられた使命だとあらためて自覚する必要があるのではないでしょうか。
 独創的な研究はどのようにして生まれるのかを考える時、ひらめきが大きな要因となっていることは言うまでもありません。独創性の高い仕事ができる人は、どうも感性面を主に掌る右脳がすばらしく働いていることが多いようです。特に、科学者でありながら芸術や音楽性に秀でている人の中には目を見張るような優れた研究をする人が多いものです。論理的思考回路の左脳と非論理的、直感的回路の右脳が脳梁を通してバランス良く機能している場合に想像力が湧き出てくるようです。sensorという言葉はsenseやsensoryから派生したと思われますが、従来の五感を超えたいわゆるsixth sense(意味は違うかもしれませんが)のようなものを、常にsharpでsensitiveな状態に研ぎ澄ましておくことも、独創性の高い研究を行う秘訣かもしれません。
 2000年度より政府がミレニアム研究プロジェクトとして力を入れている情報、バイオ、環境のいずれの分野にも、化学センサは深く関わっておりますし、超高齢化時代を迎えるにあたって特に重要となる介護、福祉、医療の面においても、キーデバイスとして化学センサが活躍することは間違いありません。今後、研究会といたしましても新世紀における発展のために、会誌の編集委員会を取りまとめていただいている東北大学(安斉研)、ホームページの維持、管理をしていただいている長崎大学(江頭研)、および私ども九州大学の事務局という調和のとれた三極体制を強化することにより、研究会のさらなる活性化と会員の方々へのサービス向上(会誌の電子配信などの試み)に努めていきたいと思います。とにかく、本研究会をどなたにとっても魅力的なものにし、入会したい、参加した、発表したい、投稿したいと思われるように、逢坂会長をはじめとする役員の方々と協力して精一杯努力する所在ですので、今後とも一層のご支援を賜りますように何卒宜しくお願い申し上げます。



超伝導体の小規模応用としてのSQUID(超伝導量子干渉素子)の活用

吉澤正人

岩手大学工学部
〒020-8551 盛岡市上田4-3-5

Practical use of SQUID (Superconducting QUantum Interference Device) as a small-scale application of Superconductors

Masahito Yoshizawa
Faculty of Engineering, Iwate University
4-3-5 Ueda, Morioka 020-8551, Japan

Recently, small-scale application of superconductors ahs attracted our attention. We described the SQUID-based apparatus as an application of superconductors. In particularly, recent status and future possibilities of two-dimensional magnetic field distribution measuring system and scanning SQUID microscope have been reported precisely with their various uses.




イオンセンサ

勝 孝

岡山大学薬学部
〒700-8530 岡山市津島中1-1-1

Chemical Sensors 1999 : Ion Sensors

Takashi Katsu
Faculty of Pharmaceutical Sciences, Okayama University
1-1-1 Tsushima-naka, Okayama 700-8530, Japan

1.はじめに  本稿を執筆するにあたり1998年後半から1999年に発表された「イオンセンサ」に関する論文を中心に調査した。本稿は、これまで本誌でとりあげられてきたイオンセンサに関する総説の続きとなるが、筆者の専門領域の偏りから、取り上げられた内容が「イオン(選択性)電極」の一部の領域になったことを御了承いただきたい。この分野では、最近「オプトード」とともに体系的に理論的な考察がなされたこと及びこれまで報告されたイオノフォアがレビューされたことは、執筆すべき点である。これらの総説とともに、特定領域に焦点をあてた総説、例えば、水素結合基をもつイオノフォアを利用した電極開発、ホスト・ゲストの錯形成反応を利用した無機及び有機イオン電極の開発、アニオン電極の開発、膜支持体としてシリコンゴム膜を用いたイオン電極の開発、主に臨床化学分析に応用されているイオン電極の感度・選択性・検出限界を議論した総説などを参考にすれば、この分野の進歩を概観できる。また、Analytical Chemicstry誌に隔年ごとに掲載されるApplication Reviewsのなかでも、特に臨床化学関連及び医薬品分析のなかで、一部、イオン電極が論じられている。
(以下省略)


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