Chemical Sensors

Vol. 7, No. 4 (1991)


Abstracts



化学センサの発展に思う

米山  宏

大阪大学工学部教授

On Recent Advances in Chemical Sensor Research

Hiroshi YONEYAMA

Osaka University

 すべてが目まぐるしく変貌していく現代において、科学技術に対する研究技術者の関心もその例外ではなく、10〜20年単位で振り返ると研究分野にも栄枯盛衰が認められます。化学センサについていえば、本誌Vol. 7 No. 1の巻頭言に現会長の相澤益男教授が記されていますように過去10年間に著しい発展を遂げてきたように思われます。アメリカの電気化学学会(The Electrochemical Society, Inc.)の年会でも、最近は化学センサのシンポジウムが開催されることが多くなったようであり、このような時流ができたのも日本の化学センサ研究会の貢献がきわめて大きいと思っています。
 このように発展してきている理由として、化学センサが本質的に種々の学問・技術領域にまたがる学際的性格を有するものであることが挙げられると思います。それぞれの学術研究分野では専門細分化が進んできていますが、一方では学際領域も開けてくるというのが現代の科学の特徴となっています。すなわち、私見では深くて広い知識がセンサ研究会を中心として組織化されたことが、化学センサ分野の発展にきわめて大きな貢献をしてきたと思います。1980年代に入って新素材、新しい機能材料に対する世の中の関心が高まり、材料研究が多角的に、また学際的に行われるようになったことも大きな力となってきたと思います。ひとつのサイエンスの領域が発展する上で世の中の関心が大きな力になることはいうまでもありませんが、関心を生み出すアチーブメントを行うのは研究技術者であることもまぎれもない事実です。このような「世の中の関心」と「新しい魅力ある結果の創造」という「ひよこと卵の関係」をますます高めることが化学センサの更なる発展の上で不可欠であると信じます。




湿度センサ

松口 正信

愛媛大学工学部
〒790 松山市文京町3

Chemical Sensors 1990-Humidity Sensors

Masanobu MATSUGUCHI

Faculty of Engineering, Ehime University
3 Bunkyo-cho, Matsuyama 790, Japan

はじめに
 湿度センサに関する1990年後半から1991年前半における研究動向を、高分子湿度センサ、セラミックス湿度センサ、および電気的特性以外の検出原理を利用したものに分類しその内容をまとめた。この間にユーロセンサ(1990年10月、カールスルーエ)、韓日化学センサシンポジウム(1991年5月、ソウル)、トランデューサー‘91(1991年6月、サンフランシスコ)等の化学センサに関する国際会議が開催され、多数の湿度センサについて研究発表が行われた。ユーロセンサで発表された内容については、Sensors and Actuators誌に論文が掲載されており重複するため特に詳しく触れることはしない。また後者2つについては既に本誌の学会レポート[1,2]において報告されているので本稿では省略させていただく。




バイオセンサ

内山 俊一

埼玉工業大学工学部
〒369-02 埼玉県大里郡岡部町普済寺1690

Chemical Sensors 1990-Bio-Sensors

Shunichi UCHIYAMA

Faculty of Engineering, Saitama Institute of Technology
1690 Fusaiji, Okabe, Saitama 369-02, Japan

This manuscript deals with papers concerning with biosensors published in 1990 and more than 90 papers were introduced. The content of this review is divided into five categories, food, environmental, clinical, electropolymerized film electrode and other fields. The scientific fields concerning biosensors has been explosively increased in recent years and this technique is developing in the aspects of fundamentals and applications.

はじめに
 本稿は1990年度に発表されたバイオセンサ関連の論文に基づき、バイオセンサの研究内容と新しい流れについて概略的にまとめたものである。この年度の発表論文数および内容を調べると、バイオセンサの研究もまさに円熟期を迎えた感があるが、分野が応答のダイナミックスなどの基礎研究から臨床、食品、環境、プロセスコントロールなどの応用面に至るまで極めて広範囲にわたっており、全ての内容を網羅することは筆者の力の遠く及ばないところである。そこで、本稿は主としてBiosensors and BioelectronicsのBibliographyに引用された文献につき、まず適用分野別に食品、環境、臨床に分け、そして個々の手法として高分子フィルム電極、光プローブ、サーミスタ、免疫センサ等に分類して述べることにする。
 まず単行本としてTurner[1]により“Advances in Biosensors”が、そしてWolfbeis[2]により“Fiber Optic Chemical Sensors and Biosensors"が書かれ出版されている。そして相澤[3]によってバイオセンサの最近の進歩がそうせつにまとめられた。また、手法の違いによって分類された分野別の総説として J. Biotechnology の3月号に光ファイバー[4]、アンペロメトリー[5]、FET[6]、組織[7]、微生物[8]を利用したバイオセンサ、そしてマイクロバイオセンサ[9]がそれぞれ発表されている。またGuilbaultらによって光ファイバーセンサの最近の進歩[10]が執筆されている。
 発表されたバイオセンサの文献を調べるとアンペロメトリックセンサが半数を占めており、新しい基質のセンサや酵素サイクリングによる感度増幅、あるいは酵素膜中へのメディエーターの同時固定、さらには微少電極表面への複数の酵素固定などの新しい研究の流れを見ることができる。これは、一般に電気化学測定において基質が各種ある検出信号のなかで電流に変換できる場合が多いことを示していると考えられる。




第13回化学センサ研究発表会

内山 俊一(埼玉工業大学)
中原  毅(徳山曽達(株)藤沢研究所)

Conference Report. The 13 th Chemical Sensor Symposium

Shunichi UCHIYAMA (Saitama Inst. of Tech.)
Tsuyoshi NAKAHARA (Tokuyama Soda Co., Ltd.)



Eurosensors V Conference

定岡 芳彦

愛媛大学工学部


Yoshihiko SADAOKA

Ehime Univ.



8th International Conference on Solid State Ionics

清水 陽一

九州大学総合理工学研究科


Youichi SHIMIZU

Kyushu Univ.


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