Chemical Sensors

Vol. 6, No. 1 (1990)


Abstracts



化学センサのユニット化

川口 賢一

矢崎計器(株)ガス機器開発室取締役開発室長

Chemical Sensors as a Unit System

Kenichi KAWAGUCHI

Yazaki Meter Co., Ltd

 化学センサは、現在も学会で作動原理が追及されている様に物理センサに比較して安全に把握しにくい面が多くあります。
 私共は、ガスの供給機器メーカーとして、ガスの計量の正確さと、信頼性及び安全性に責任を負っており、その中でガス警報器はガス機器を安全に使用する一助として、数多く生産され、役目を果たしています。それだけに、それに使用するガスセンサは常に他の電気部品とは違う扱いにしており、特に厳選した品質のセンサを電気的、熱的な安定時間を費やして製品化しております。化学センサとしては、数少ない部類と思いますが、ユーザーに取り付けられて4年以上メンテナンスフリーで使用できる商品となっております。
 化学センサが使用上問題なのは、界面反応であり、ほとんどの場合、被測定物とそれ以外の反応可能な物質が混在している中での測定であり、又、温度の影響も大きく受けてしまう事であります。今までは、これらの状況下で、如何に、安定性、選択性を改善し、使い方を工夫して、寿命を持続させるかに努力を傾注してきましたが、世の中の動きは、これらの機器に対して、安全面とか、許容の範囲を単に探知または制御する為だけでなく、もっと前向きに、使用している環境がどの様な状態であっても、総合判断して、知らせると共に、より良き状態に持っていく様な要求へ移行しつつあります。この方向でこのセンサを見直すと、測定状況の設定と、その経過時間の中での変化を上手に整理して、ソフト化できれば、情報量が多くとれるセンサであることは衆知であり、それだけに有能なセンサと言えます。それらの各種化学センサを温度センサやマイコンと組み合わせて、センサ部をユニット化していくことは今後益々盛んになっていくであろうと考えられます。ガスセンサでは、すでに空気汚れ検知センサなどとしてユニット化された商品が発売され利用されております。この様にユニット化したセンサを用いて、我々に必要な、どの様な情報が取れるかを競う時が来ていますし、センサもより知的に使う為に、さらに小型化と小電力化への開発が進められるであろうと考えられます。
 今年に入ってから、地球環境の排気ガス、河川・海水汚染、動植物に対する農薬汚染の問題など、一段と大きく取り上げられ、規制強化はさらに避けられない状態になってきております。その数値を守る上で、これに関係する多くの機器の改善や測定器の充実を急がなければなりませんが、これらの機器のほとんどが、一般ユーザーの範囲にまで及ぶので、その信頼性、使用性、メンテナンス性など充分に考慮が必要であります。その為にも、センサ部のユニット化は必要であり、大量に、安定した機器の部品として供給できるように、コスト市場性のあるセンサユニット作りが、この問題に立ち向かう、化学センサに携わる者の責務と考えます。




バイオセンサI

水谷 文雄

繊維高分子研究所

Chemical Sensors 1989-Bio Sensor I

Fumio MIZUTANI

Research Institute for Polymers and Textiles

はじめに
 本稿では、1989年から90年初頭にかけて発表されたバイオセンサ関連の論文を紹介する。センサ利用の計測システムの開発から、“第四世代?”バイオセンサへのアプローチに至るまで、多彩な研究の進展がみられる。




湿度センサ

定岡 芳彦

愛媛大学工学部

Chemical Sensors 1989-Humidity Sensor

Yoshihiko SADAOKA

Faculty of Engineering, Ehime University

はじめに
 前回に引き続き、湿度センサの1989年後半〜1990年前半における論文を、高分子湿度センサ、セラミックス湿度センサ、光学的変化を利用した湿度センサ、および限界電流型湿度センサに分類し、その内容を概説する。




研究室紹介

Ingemar Lundstrom

Univ. Linkoping, SWEDEN

LABORATORY OF APPLIED PHYSICS UNIVERSITY OF LINKOPING
S-581 83 LINKOPING, SWEDEN



第10回化学センサ研究発表会

(4月5〜7日 於 京都大学工学部)

桑田 茂樹

新居浜高専

Conference Report. The 10th Chemical Sensor Symposium

Shigeki KUWATA

Niihama National College of Technology


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